Adobe Illustratorの単純作業はこれにお任せ!テンプレート流し込みスクリプト

こんにちは、プログラマの矢野です。先日、テンプレートの流し込みを行うIllustratorスクリプトを作成しました。

Illustratorスクリプトとは

IllustratorスクリプトとはIllustratorの機能のひとつで、スクリプトを使うと、ひとまとまりの操作を自動的に処理させることが出来ます。この操作はIllustrator内だけでなく、Excell、Wordなど、ほかのアプリケーションと連動することもあります。

Illustratorには、はじめからJavaScript、AppleScript、ExtendScriptなど複数のスクリプト環境がサポートされていて、独自に作成したスクリプトをメニューに追加することもできます。

今回作成したスクリプトの作業内容をご紹介します。

テンプレートの作成

まずはIllustratorでテンプレートを作成するところから、使い方を順に説明します。

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画像表示領域となる長方形を作成します。後で配置する画像をここにクリッピングマスクします。

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次にテキストを作成します。今回は日付とコメントを表示させたいので、dateとcommentという2つのテキストを作成しました。

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次に作成した長方形とテキストをまとめて選択して、メニューのオブジェクト/グループでグループ化します。

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作成したグループオブジェクトをコピーして、アートワークに配置していきます。今回は12個のグループオブジェクトを配置しました。これでテンプレートの完成です。

変数の作成

スクリプトからIllustratorオブジェクトにアクセスできるように変数を追加していきます。

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メニューのウィンドウから変数パネルを表示します。

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CSVデータを流し込みたい順番にグループオブジェクトを選択して、変数パネルの下にある「表示を動的に設定」アイコンを選択します。

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変数パネルに変数1という変数名ができました。オブジェクト項目には<グループ>と表示されています。選択したグループオブジェクトに変数1という変数を紐付けました。

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各グループオブジェクトに変数を設定していきます。今回は12個のグループオブジェクトがありましたので、変数1~変数12が作成されました。

ここで重要なのが、CSVデータは一番上の変数1から順番に流し込まれるということです。CSVデータを流し込む順番にグループオブジェクトを指定して、変数を作成していきます。

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変数パネルの項目をMacならcommandキー、WindowsならCtrlキーを押しながら選択すると、その変数のグループオブジェクトが選択されるので、各変数に紐付けられているグループオブジェクトを確認することができます。

これで変数の作成は完成です。

CSVファイルの作成

ExcelやGoogleのスプレッドシートなどで表を作成します。

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一番上の列に項目名を入力します。テキストの項目名はIllustratorで作成したテンプレートのテキスト内容と一致する必要があります。

今回はdateとcommentという2つのテキストを用意しましたので、項目名もdateとcommentにします。画像の項目名の指定はありません。

画像ファイル名はIllustratorで作成したテンプレートファイルから見た相対パスを入力していきます。今回はテンプレートファイルと同じ階層に画像ファイルを置いています。

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次に作成した表をCSVファイルに変換します。CSVのフォーマットはカンマ(,)区切りで、エンコードはUTF-8で保存します。

スクリプトの実行

Illustratorで作成したテンプレートファイルを開き、スクリプトを実行します。

作成したスクリプトは以下のものになります。

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メニューからファイル/スクリプト/その他のスクリプトを選択します。

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「実行するスクリプトファイルの場所」ダイアログボックスが開きますので、実行するスクリプトのファイルを選択します。

今回はCSVConverter.jsを選択します。

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次に「CSVファイルを選択してください」というダイアログボックスが開きますので、使用するCSVファイルを選択します。

今回はtest.csvを選択します。

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スクリプトが実行され、CSVの内容がIllustratorのテンプレートファイルに流し込まれます。

スクリプトの利点

宛名や名刺といった、同じレイアウトのものを複数作成する際、テンプレートを用意してこのスクリプトを使用すれば、作業が効率化できます。今回使用したサンプルは、下記からダウンロードできますので、皆さまもぜひ試してみてください。

Download

 

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CSVファイルの作成

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