Appleの20年をたどる写真集「Designed by Apple in California」

シンプルでかつ革新的なデザインで、新たな価値や体験を提案し続けているAppleより、20年の記録を製品写真で表現したハードカバーの写真集「Designed by Apple in California」が発行されました。

ビジュアルで歴史を語る

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「Designed by Apple in California」は、商品カタログでもなく製品開発についての本でもない、Appleの仕事を客観的に表現した写真集です。

300ページにも及ぶこの写真集は、写真家Andrew Zuckermanさんによる、あえてシンプルなスタイルで撮影された450枚もの写真で構成。

1998年に発売されたiMacから2015年発売のApple Pencilまで、20年の歴史をビジュアルで語りながら、Appleのデザインチームが20年以上使用してきた革新的な素材や技術、デザインプロセスについても解説されています。

革新性と精巧さを証明する一冊

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製品にこだわり続けてきたApple。この写真集も例にもれず、並々ならぬこだわりが散りばめられています。

紙は、ドイツで特別な製造工程を経てつくられた、マットなシルバーの縁取りをほどこし専用染色されたもの。ハードカバーの表紙の素材にはリネンが使用されています。

印刷には、“ゴースト(インクの影)”が発生しにくいインクを使用。一般的にカラー印刷の製版時は4つに色分解(CMYK)するのに対し、この写真集では8色に色分解を行っています。

仕上がりの画像の精細さを表すスクリーン線数は、一般的な雑誌では“175”ですが、この写真集のスクリーン線数は“280”で印刷されているなど、徹底的なこだわりとともに精巧に仕上げられています。

制作に8年かかったというこの写真集は、Appleにしかできないデザインと精巧さを証明し、記念するにふさわしい一冊です。

「どのように、なぜできたのか」

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公式サイトにおいて、Appleの最高デザイン責任者であるJonathan Iveさんはこう話しています。

「純粋に、人類にとって素晴らしいものを作ろうという考えが、Steveを突き動かした最初のきっかけでした。そのことは、今でもAppleが未来を考える際に、私たちの理想と目標であり続けています。

この写真集は、私たちのチームが何年にもわたってデザインしてきた多くの製品を丁寧に集めて紹介することを意図して作られました。

各製品がどのようにして、そしてなぜできたのかということをご理解いただけたら、また、デザインを学ぶ生徒さんにとっては教材としても活用いただければと願っています。」

Apple公式サイトにも掲載されていますが、YouTubeでもJonathan IveがCasa BRUTUSに語ったインタビューの様子が公開されています。Appleのスタジオの様子や、製品のプロトタイプがどのようにつくられているのかが分かるので、こちらの動画も必見です。

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「Designed by Apple in California」のサイズは2種類。日本、オーストラリア、フランス、ドイツ、香港、韓国、台湾、英国および米国のApple.com、一部のApple storeを通じて限定販売されており、一部の直営店では展示も行われるそうです。

スティーブ・ジョブズを突き動かした、「人類にとって素晴らしいものをつくろう」という理念が詰まったこの写真集。

永久保存版としてぜひとも手に入れておきたい一冊となりそうですね。

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